ある日、市役所から「地籍調査にご協力ください」という通知が届く──何かの営業?お金を取られる?と身構える方が多いのですが、実はこれ、公費で自分の土地の境界を確定してもらえる、所有者にとって願ってもない機会です。
地籍調査は「土地の戸籍」を作り直す国の事業
古い公図が、正確な地籍図へ塗り替わる
地籍調査は国土調査法に基づいて、主に市町村が実施する公共事業です。一筆ごとの土地について所有者・地番・地目を調べ、境界を確認し、正確な面積を測量して「土地の戸籍」=地籍を作り直します。今も登記所の図面の中には明治の地租改正の頃に作られた精度の低いものが残っており、登記簿の面積と実際の面積が違うことは珍しくありません。その成果は登記所に送られ、公図や登記簿が書き改められます。
所有者にとってのメリット
- 費用は原則かからない ─ 公費で行われるため、個人で確定測量を頼めば数十万円かかる境界の確認が、負担なく受けられます
- 境界トラブルの予防 ─ 立会いを経て境界が明確になり、杭も入るので、将来の紛争の芽を摘めます
- 取引・相続が円滑に ─ 正確な地籍図があれば、売買や分筆、相続の手続きがスムーズです
- 災害復旧が速くなる ─ 地震や水害で杭が流されても、正確な座標が残っていれば境界をすぐに復元できます
注意点も正直に
良いことずくめのようですが、注意点もあります。まず立会いへの協力が必要です。ご自身の土地の境界は、隣接者と一緒に現地で確認します(このとき異議があれば必ずその場で伝えてください。いったん成果が登記されると、覆すのは大変です)。また、面積が登記簿より増減すれば固定資産税が変わることがあります。そして事業には年単位の時間がかかります。
ちなみに愛知県は全国的に見ても地籍調査の進捗率が低い地域で、都市部を中心にこれから本格化していく段階です。通知が来たら「順番が回ってきた」ということ──ぜひ前向きにご協力ください。
むすび
当社は地籍調査の測量業務に携わる立場として、この事業が進むほど土地のトラブルが減っていくのを実感しています。通知の内容が分からない、立会いで何を確認すればいいか不安──そんなときは、お気軽にお尋ねください。
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