「土地を測るだけなら自分でやって、費用を浮かせたい」──よく分かります。実は測量士の答えは「半分はできます。でも肝心の半分は、どうやってもできません」です。何ができて何ができないのか、正直にお話しします。
できること ─「ざっくり把握」はDIYで十分
縄張りの測量 ─ 結び目のついた縄で測る、古代エジプト由来の知恵
庭の一角の広さを知りたい、家庭菜園の区割りをしたい、擁壁までの距離を測っておきたい──こうした「自分のための参考値」なら、道具しだいで十分測れます。30m巻尺とレーザー距離計、水準器があれば、水平距離・高低差はかなり正確に取れますし、スマホの測量アプリ(GPSで面積や距離を出すもの)も手軽です。
ちなみに測量の原点は古代エジプト。ナイル川の氾濫で毎年境界が消えるため、等間隔に結び目を作った縄を張って土地を測り直していました。縄と杭とL字の木材(直角の確認用)、糸と重り(垂直の確認用)──この「縄張り測量」は今でも家庭レベルの計測に立派に通用します。
できないこと ─ 境界確定は「測る技術」だけの問題ではない
問題は、売却や登記のための境界確定測量です。これはDIYでは不可能です。理由は3つあります。
- 精度の壁 ─ 境界はミリ単位の争いになります。プロが使うトータルステーションは中古でも十数万円、測量計算のソフトも必要で、1回のために揃えるのは費用対効果が合いません
- 調査の壁 ─ 境界は「今どこにあるか」ではなく「資料上どこであるべきか」を、法務局の図面や登記記録から読み解いて決めます
- 効力の壁 ─ これが決定的です。境界確定には隣接者との立会い・筆界確認書の取り交わしが必要で、自分で測った図面には登記や取引に使える効力がありません
実際、「境界確定を自分でやりたいと法務局に相談に行ったが、相手にしてもらえなかった」というご相談を、当社は何度もいただいています。
賢い使い分け
おすすめは、検討段階はDIY、手続き段階はプロという使い分けです。売るかどうか迷っている段階なら、巻尺とアプリのざっくり計測で十分に判断材料になります。売却・分筆・登記が決まったら、そこからは測量会社の出番です。DIYで測ったメモも、ご相談時の良い資料になりますので、ぜひお持ちください。
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