ある日ポストに、見知らぬ測量会社から「境界立会いのお願い」という手紙が届く──ぎょっとしますよね。何か揉めごとに巻き込まれるのか、お金を請求されるのか。でも不安の正体は「よく分からないから」です。仕組みを知れば、むしろ受ける側に得の多い話だと分かります。
なぜ立会いを求められるのか
依頼する側からすると、理由は単純で「手続き上、立会いが必要だから」です。代表的なのは次の3つです。
- 土地を売買するため ─ 登記簿の面積と実際の面積が違うことはよくあり、売却前に境界確定測量を行うのが一般的です
- 分筆や地積更正の登記をするため ─ 法務局への申請には、すべての境界について隣接者と確認済みであることが必要です
- 塀や境界標を正しく設置するため ─ 境界があいまいなまま塀を建てると、はみ出しや中途半端な隙間のもとになります
つまり、争いが起きているから呼ばれるのではありません。手続きに必要だからお願いされているだけです。
受けたほうがいい? ─ 実はメリットばかり
時間は取られますが、応じることをおすすめします。理由はこうです。
- 自分の土地の境界がはっきりする ─ 「ここが境界だと思っていたら違った」は珍しくありません
- 費用ゼロで境界標と図面が手に入る ─ 測量・資料調査・図面作成の費用は依頼者側の負担。こちらはタダで成果のお裾分けを受けられます
- 土地の価値が上がる ─ 境界未確定の土地は評価が下がります。確定すればその分だけ資産価値が守られます
そして最大のメリットは、将来の境界トラブルを未然に防げること。もらった図面は、越境などの問題が起きたときの有力な資料になります。
当日は何をする? 不安なときは?
立会いは通常、依頼者・隣接者・測量の専門家の三者で境界を確認します。かかる時間は10〜15分程度。確認できたら署名・押印し、後日、書類と図面の控えをもらう約束をしておきましょう。
境界を示す専門家は公平中立の立場で、資料と測量に基づいた位置を示します。依頼者の都合で境界を動かすことはできませんので、気になる点は遠慮なく質問してください。それでも不安なら──
- 印鑑証明書を求められた場合は、余白に「◯年◯月◯日の境界確認書類添付用」と添え書きして、他用途への流用を防ぐ
- ご家族に同席してもらう。必要なら、こちら側も専門家に同席を頼む
むすび
境界立会いは「お互い様」です。今回は受ける側でも、いつか自分が土地を売る・分けるとなれば、今度はお願いする側になります。この機会に、ご自身の土地の境界への理解を深めておくのが一番の得策です。
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