基準点は、土地や建物などの測量に必要な標高や位置情報を正確に決定するために、様々な場所に設置されています。
しかし、誰かが基準点を勝手に撤去すると、測量データが正確でなくなり、土地の使用や建設においてトラブルが生じる可能性があります。こちらでは、道路などの公共物にある基準点の役割や、勝手に撤去した場合どのような問題点があるかについて詳しく解説していきます。
基準点の設置場所と形状
設置場所
- 道路や鉄道の路線
道路や鉄道の路線には、定期的な測量が必要です。そのため、路線上に測量基準点が設置されています。基準点は、路肩や路盤、枕木などに取り付けられています。
- 公園や河川敷
公園や河川敷などの広い場所にも、測量基準点が設置されています。基準点は、地面に埋め込まれたり、石垣やコンクリートブロックなどに固定されている場合があります。
- 建物や構造物
建物や構造物の測量にも、測量基準点が必要です。建物の外壁や基礎、屋根などに設置されていることがあります。
形状
測量基準点の形状は、以下のようなものがあります。
- 柱状のもの
測量基準点の一般的な形状は、柱状のものです。金属製やコンクリート製など、材質はさまざまです。基準点の上部には、標高や位置情報などの情報が記載されていることが多いです。
- 三角錐形のもの
三角錐形の測量基準点もあります。上部には、標高や位置情報などが記載されていることがあります。
- 標識の一部
測量基準点は、道路や鉄道の標識の一部として設置されることがあります。例えば、道路標識の支持柱に基準点が設置されていることがあります。
以上が、一般的な測量基準点の設置場所と形状についての概要です。基準点は、測量に必要な正確な情報を提供するために重要な役割を果たしています。
道路基準点が必要な場合
道路基準点を設置する必要があるのは、以下のような場合です。
道路の新設や改修
道路の新設や改修に際しては、道路の幅や角度、高低差、曲率などを正確に測定する必要があります。そのために、道路基準点を設置することが必要となります。
建物の建設や改修
建物の建設や改修に際しては、建物の位置や高さを正確に測定する必要があります。そのために、建物周辺に道路基準点を設置することが必要となります。
土地の境界確定や所有権登記
土地の所有権や境界を確定するためには、正確な測量が必要です。そのために、土地周辺に道路基準点を設置することが必要となります。
道路の管理や維持管理
道路の管理や維持管理に際しては、道路の状態を正確に把握する必要があります。そのために、定期的に道路基準点を使用して測量を行い、道路の状態を監視することが必要となります。
これらのような場合には、設計者や建設業者、測量士、自治体などが道路基準点を設置することがあります。
基準点を勝手に撤去したらどうなるのか?
測量の基準点を勝手に撤去することは、不正な行為となります。それによって、測量データが正確でなくなり、土地の使用や建設においてトラブルが生じる可能性があります。また、法的な責任も負うことになる可能性があります。
測量の基準点は、土地の境界や建設物の位置を正確に測定するための重要な役割を果たしています。しかし、誰かが基準点を勝手に撤去すると、測量データが正確でなくなり、土地の使用や建設においてトラブルが生じる可能性があります。
基準点が撤去されると、次のような問題が発生する可能性があります。
土地の境界が不明瞭になる
基準点は、土地の境界線を決定するために使用されます。基準点がなくなると、土地の境界が不明瞭になり、隣接する土地との境界線を特定することが困難になる可能性があります。
建設物の位置が正確でなくなる
建設物の位置は、基準点を基に測定されます。基準点がなくなると、建設物の位置が正確でなくなり、他の土地や建設物との距離や位置関係が不明瞭になる可能性があります。
法的問題が発生する
基準点を勝手に撤去することは、不正な行為となります。このような行為によって、土地の所有者や建設業者は法的な責任を負うことがあります。例えば、建設物が隣接する土地に侵入していた場合、基準点を削除した人物は、土地所有者からの損害賠償請求を受ける可能性があります。
基準点を撤去することは、測量データの精度を損ない、法的問題を引き起こす可能性があるため、避けるべき行為であると言えます。
道路基準点を撤去して工事を行う場合
公共物にある基準点を撤去して工事を行う場合には、以下の手順が必要です。
①事前に関係する公共団体に申請を行う
公共物にある基準点は、土地の境界や建設物の位置を正確に測定するために設置されています。そのため、基準点を撤去する場合には、関係する公共団体に申請を行う必要があります。申請の際には、工事の内容や期間、基準点の移設先などを明確に説明する必要があります。
②測量士による調査・立会い
基準点を撤去する前に、測量士による調査を行い、正確な位置を確認します。また、基準点を撤去する際には、測量士が立会いを行うことが必要です。立会いによって、基準点の撤去や移設の過程で正確な位置が保たれることが確認されます。
③基準点の移設
基準点を撤去した後は、新たな基準点を設置する必要があります。移設された基準点は、土地の境界や建設物の位置を正確に測定するために使用されます。移設後には、再度測量士が立会いを行い、正確な位置が確認されます。
④完工報告
基準点の移設が完了したら、関係する公共団体に対して完工報告を行います。完工報告には、移設された基準点の正確な位置や移設方法、工事期間などを報告する必要があります。
公共物にある基準点は、土地や建物の位置を正確に測定するために重要な役割を果たしています。そのため、基準点を撤去する際には、法的手続きを遵守し、測量士の指示に従うことが重要です。
まとめ
道路にある基準点は、安全性や正確性を確保するため、土地や建物の管理や維持管理のために重要な役割を果たしています。
道路にある基準点の破損を発見した場合は、速やかに所轄の自治体や道路管理者に連絡することが望ましいです。
基準点が破損してしまうと、道路の測量が正確に行えなくなったり、土地の所有権や境界を正確に確定できなくなったりする可能性があります。そのため、基準点の破損は早急に修復する必要があります。
道路管理者によっては、基準点の破損を受け付ける窓口や専用の連絡先を設けている場合があります。基準点の破損場所や状況を正確に伝え、修復についての指示を仰ぐことが必要です。
(愛徳コンサルタント株式会社)