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【河川崩壊の被災地・能登半島での復旧作業をトータルステーションで】その重要性と必要なスキル

2024年、能登半島での河川崩壊災害は、地域社会に甚大な被害をもたらしました。

迅速かつ正確な復旧作業が求められる中で、測量技術者の役割は非常に重要です。

その中でも、トータルステーションを使用した測量は、復旧計画の立案や実施において不可欠なツールとなっています。

トータルステーションの最大の特徴は、その高精度な測量能力です。

通常、ミリメートル単位の精度で角度と距離を測定することができるため、非常に細かい地形の変化やインフラの損壊状況を正確に捉えることができます。これは、復旧作業の計画や実施において非常に重要です。

通常の業務とは異なり、被災地での作業には迅速な判断力と高度な作業スキルが必要です。

この記事では、河川崩壊が起きた能登半島の被災地でトータルステーションを使用して復旧支援を行う際に、通常業務とは異なる判断力や作業スキルがなぜ重要なのかを詳しく解説します。

目次

不安定な地形とアクセスの制限:現場状況の把握と設置場所の確保

被災地での測量作業は、まず不安定な地形との戦いから始まります。

通常業務では整備された安定した地形での作業が一般的ですが、被災地では崩壊した地形や損壊したインフラが多く、設置場所の確保が困難です。

このため、トータルステーションの設置場所を迅速に選定し、安全に機器を設置する能力が求められます。

具体的な判断力とスキル

  • 地形の評価:現場に到着したら、まず地形を迅速に評価し、安定した設置場所を見つけます。地盤の安定性を確認し、崩壊のリスクが低い場所を選定します。
  • 機器の保護:不安定な環境下で機器が倒れたり損傷したりしないように、適切な固定方法を実施します。砂袋や固定用の三脚を使用するなどの対策が必要です。
  • 迅速な設置:限られた時間で迅速にトータルステーションを設置し、キャリブレーションを行います。この際、正確さとスピードのバランスを保つことが重要です。

緊急対応スキル:予期せぬ事態への迅速な対応

被災地では、予期せぬ事態が頻繁に発生します。再度の崩壊や悪天候など、現場での不測の事態に対応するための迅速な判断力と対応スキルが求められます。

通常業務では、計画通りに進行することが多いため、このような緊急対応スキルはあまり必要とされません。

具体的な緊急対応スキル

  • 緊急避難計画の策定:現場作業開始前に、緊急時の避難ルートや避難場所を確認し、全員がその計画を把握しておきます。
  • 安全装備の確認:常に安全装備を着用し、緊急時に迅速に対応できるように準備を整えます。ヘルメット、安全ベスト、保護メガネなどの基本的な装備は必須です。
  • 即時対応の準備:例えば、機材が急に動かなくなった場合や、周囲の環境が急変した場合に迅速に対応できるように、予備のバッテリーや代替機器を準備します。

データのリアルタイム解析と活用:迅速な意思決定を支える

被災地での復旧作業は時間との戦いです。トータルステーションで収集したデータをリアルタイムで解析し、即座に対応策を講じる能力が重要です。

通常業務では、データの収集後に時間をかけて解析することができますが、被災地では迅速な意思決定が求められます。

具体的なデータ解析スキル

  • リアルタイム解析ソフトウェアの使用:トータルステーションから得られるデータをリアルタイムで解析するソフトウェアを使用し、迅速に結果を得ることが重要です。これにより、現場での即時対応が可能になります。
  • 迅速なデータ処理:収集したデータを迅速に処理し、地形の変化やインフラの損壊状況を即座に把握します。これにより、適切な対応策を講じることができます。
  • データの共有と活用:解析したデータを迅速にチーム内で共有し、全員が最新の状況を把握できるようにします。これにより、全体の効率が向上し、スムーズな復旧作業が可能になります。

チームワークとコミュニケーション:多職種連携の重要性

被災地での作業は、多くの専門職との連携が必要です。

測量技術者だけでなく、救助隊、建設業者、自治体職員など、多くの関係者との緊密なコミュニケーションとチームワークが求められます。

通常業務では、測量技術者同士の連携が中心ですが、被災地では多職種連携が重要となります。

具体的なコミュニケーションスキル

  • 定期的な情報共有:定期的にミーティングを行い、現場の状況や進捗を共有します。これにより、全員が最新の情報を把握し、一致した行動を取ることができます。
  • 緊密な連携:他の専門職と緊密に連携し、必要な情報やリソースを迅速に共有します。特に、緊急時には迅速な連携が重要です。
  • 適応力:異なる専門職との連携をスムーズに行うために、柔軟な対応力が求められます。異なる視点や方法論を尊重し、最適な解決策を見つけるために協力します。

まとめ

能登半島の河川崩壊被災地でのトータルステーション使用には、通常業務とは異なる高度な判断力と作業スキルが必要です。

不安定な地形での迅速な設置と安全確保、予期せぬ事態への迅速な対応、リアルタイムデータ解析、そして多職種との連携が求められます。

これらのスキルを持つことで、被災地での復旧作業を効果的に進めることができ、地域社会の早期復興に貢献することが可能です。

私たち測量技術者は、通常業務で培った技術を基盤に被災地での特別な状況にも対応できるスキルを磨き、

地域社会の安全と復興に寄与していきましょう。被災地での活動は私たちの技術と判断力を試される場であり

それを乗り越えることで更なる成長が期待されます。

(愛徳コンサルタント株式会社)

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