私は現在、建設コンサルタントとして働いています。
今回、「二級土木施工管理技士」の一次試験に合格したので、その体験を記録として残しておこうと思います。
誰かの参考になれば嬉しいですし、なにより自分自身の努力を振り返る節目として、文章にしておきたいと思いました。
そもそも、なぜ受けようと思ったのか?
建設コンサルタントの仕事は、土木工事を直接施工するというよりも、
計画・設計・調査・コンサルティングがメインです。
だから、施工管理技士の資格は必須ではありません。実際、会社の業務でこの資格が無いから困る、という場面は今のところありません。
それでもなぜ今回、二級土木施工管理技士の試験を受けようと思ったかというと――、
「現場の知識をもっと深く理解したい」
という気持ちがあったからです。
私の担当は主に道路設計や測量調査ですが
設計や成果品を作る上で現場で何が行われているのか
どんな施工工程があって、どんなトラブルや留意点があるのか
知識として持っているかどうかで、設計の深みや説得力が変わってくると思ったのです。
もちろん、すべてを施工業者さんにお任せするというやり方もあります。
でも、発注者との協議や、他社とのやりとりの中で
「この人は現場を分かっているな」と思われるかどうかは
ちょっとした用語の使い方や理解力に現れるものだと感じています。
それに、せっかく建設業界に身を置いているなら、
一つくらいは施工系の国家資格を持っていたい。
そう思い立ったのが、ちょうど1年前くらいでした。
何を言ってるかさっぱり分からないスタート
正直、試験勉強を始めた当初は「何を言ってるのかさっぱり分からない」状態でした。
「張り出し工法? 根入れ? 逆打ち工法って何?」
言葉自体が耳慣れないものばかりで、教科書を開いても頭に入ってこない。
記号のような単語の連続に、「これは失敗したかも」と思うこともありました。
でも、やると決めた以上はやりきろう。
そう自分に言い聞かせ、まずは市販のテキストと過去問題集を買って
通勤の合間や仕事終わりに少しずつ読み進めていきました。
過去問を繰り返すうちに見えてきたこと
本格的に理解が深まり始めたのは、過去問を解き始めてからでした。
最初のうちは、選択肢の一つ一つをネットで調べながら
「これは○、これは×」と理由を一つひとつ確認していきました。
それを何年分も繰り返していると、徐々に「問題の意図」や「よく出るポイント」が見えてきます。
「これは基礎工の頻出パターンだな」とか「仮設構造物の出題はここを問われやすい」など
自分なりの“感覚”が出来上がってきて、勉強自体が楽しくなってきました。
「自分、少しずつ分かってきてるぞ」という感覚。これって本当に大事ですね。
最初は不安だった勉強時間が、だんだん「学びの時間」になっていく。
成長実感は勉強を続ける原動力でした。
令和7年度の測量の問題が超難問だった
そんな中、令和7年度の試験本番。
全体としては、今までやってきた過去問対策で対応できる内容がほとんどでした。
でも、ひとつだけ大きな誤算がありました。
それが「測量」の問題です。
私は仕事で測量も扱っているので、測量分野には少し自信がありました。
ところが、試験当日の測量問題は、過去問では見たことのないような切り口の出題。
完全に想定外でした。
しかも、選択肢のどれも「ありそう」で、「いや、これはひっかけか?」と迷わせるものばかり。
結果として、その問題は自信を持って答えられず…。
試験後の自己採点で、他の問題はそれなりに正解していたのですが、この測量問題だけは完全にやられました。
めちゃくちゃ悔しかったです。
でも、これもまた勉強の醍醐味だと思うようにしました。
「自分の中の測量知識がまだまだ狭かった」という現実を、試験問題が教えてくれたのです。
悔しさは次への糧になります。
次は1級!7月に向けてリスタート
今回、1次試験(学科)に合格したことで、ひとまず「基礎知識は身についてきた」という実感は得られました。
そして実は、1級土木施工管理技士にも同時に申し込んでいます。
一次試験は7月に控えています。
1級は当然、2級よりも内容が広く、深く、そして難しい。でも、今なら怖くありません。
なぜなら、「分からないところから始めても、少しずつ理解できるようになる」という経験を、今回の2級の勉強で得られたからです。
今は再び、新しい問題集と向き合いながら、1級合格に向けてコツコツ勉強を進めています。
疲れる日もあるけど、続けていればきっと見えてくる。合格というゴールに向かって、今できることを積み重ねる毎日です。
最後に:資格は「知識」と「自信」をくれる
施工管理技士の資格は、もしかすると建設コンサルタントにとって「無くても困らない資格」かもしれません。
でも、持っていると「分かる自分」「語れる自分」に変われる気がしています。
現場の知識を持って設計に携わることで、より具体的に、より現実的に、成果品に落とし込むことができる。
それはお客様にとっても、仲間にとってもプラスになることだと思います。
何よりも、自分自身の自信につながりました。
もし、今この記事を読んでいる方の中に「資格なんて意味あるのかな?」と迷っている方がいたら、私はこう伝えたいです。
「意味は、自分でつくるもの。」
始めてみて、継続してみて、振り返ってみたとき、きっとそこに意味が宿るはずです。
私も、1級合格を目指して、引き続き頑張ります!
ここまで読んでくださって、ありがとうございました。
(愛徳コンサルタント株式会社)