【地籍調査が進む時代に測量業務をどう進化させる? 】愛知県の現状と次の一手

こんにちは、弊社は公共測量業務や地籍調査に携わっています。


今回は、地籍調査案件が少ない愛知県の現状を踏まえ

地籍調査が完了した後の未来を見据えて私たち技術者が今何をすべきかについて考えてみたいと思います。

目次

地籍調査の目的

地籍調査とは、土地に関する情報を正確に把握し、公的に記録するために行われる調査です。

土地の権利関係の明確化

  • 土地の所有者、利用権者などを公的に記録します。
  • 土地境界を確定することで、隣接地とのトラブルを防止します。

正確な課税の実現

  • 土地の面積や利用状況を明確にすることで、適切な固定資産税の算定が可能になります。

不動産取引の円滑化

  • 土地の情報が正確に把握されることで、売買や賃貸などの取引がスムーズに行えます。

防災や都市計画の基盤整備

  • 土地の利用状況や地形データを明確にすることで、防災対策や都市計画の策定が効率化されます。

愛知県の地籍調査案件が少ない現状

地籍調査は土地の境界や面積、権利関係を明確にするための重要な事業です。

しかし、2023年時点で、愛知県の地籍調査進捗率は約14%と全国平均の53%を大きく下回っています。

この遅れが意味するのは、地籍調査主任技術者の資格を活かせる機会が限られているという現実です。

なぜ愛知県の地籍調査が進まないのか?

1. 都市部特有の課題

愛知県は名古屋市を中心とする大都市圏を抱えており、以下の問題が地籍調査を停滞させています。

  • 相続未了や所有者不明の土地
    長期間放置されている土地が多く、所有者を特定するのに時間がかかります。
  • 共有持分や複数権利者の調整の難しさ
    一つの土地を複数の所有者が共有している場合、全員の合意を得るのが困難です。
  • 境界紛争のリスク
    都市部では土地の価値が高いため、隣接地との境界問題が頻発します。

2. 財政的な制約

地籍調査は膨大なコストを伴います。

都市部の調査では一筆あたりの費用が高額になるため、自治体の予算の中で地籍調査に割ける割合が限られています。

3. 厳しい入札条件

愛知県の地籍調査案件では「地籍調査主任技術者」の配置が必須とされる場合が多いです。

この資格を持つ技術者が限られているため、案件数がさらに制限されている状況です。

地籍調査が進むと測量業務はどうなるのか?

地籍調査が進むことは、土地情報の透明化や公平性の向上といったメリットをもたらします。

しかし、地籍調査がほぼ完了した県では、新規の測量業務が減少するという課題が発生しています。

地籍調査完了後の測量業務の減少要因

  • 境界確定業務の減少
    地籍調査が完了すれば、新たな境界確定測量が不要になるケースが増えます。
  • 自治体からの測量依頼の減少
    公共測量も地籍調査が完了すれば一段落し、新規依頼が減る可能性があります。
  • 市場競争の激化
    測量業務が限られる中で、多くの業者が案件を争うことで競争が激しくなります。

測量業務の未来を考える

地籍調査が進む中で新規測量案件が減少する現状に備え、私たち技術者が将来を見据えた行動を取る必要があります。

課題 1. 測量業務の多様化が必要

従来の測量業務に依存せず、測量技術を応用した新たなサービスや市場を開拓することが求められます。

課題 2. 地籍調査後の維持管理業務の活用

地籍調査が完了した土地でも、以下のようなニーズが残ります。

  • 境界標の維持管理
  • 権利関係や地図情報の更新
  • デジタル地図の管理と提供

これらの業務を新たな柱に据えることが重要です。

課題 3. 新技術の導入

ドローン測量、3Dスキャン、GIS(地理情報システム)などの技術を活用し、従来にはなかった分野に進出する必要があります。

今、私たちがすべきこと

1. 測量技術の高度化

  • ドローン測量や3Dスキャンの導入
    効率化と精度向上を図るため、最新技術を積極的に取り入れましょう。
  • GIS技術の習得
    土地情報のデジタル化に対応できる技術者を目指します。
  • データ管理と分析の強化
    測量データを活用した付加価値の高いサービスを提供する準備を整えます。

2. 測量以外の分野への進出

測量業務に限らず、近接分野への展開を検討することで事業の幅を広げられます。

  • 建設コンサルタント業務
    設計や施工管理、インフラ点検業務への進出を目指します。
  • 環境調査や防災関連業務
    災害リスク評価や環境保護に関連する測量を取り入れます。

3. 地籍調査後の市場を開拓する

地籍調査が完了した地域でも、市場を掘り起こすことが可能です。

  • 土地情報のデジタル化支援
    地籍調査が完了した自治体に対して、情報管理やデジタル化を提案します。
  • 土地評価業務の拡充
    固定資産税の適正化や土地利用計画の策定に貢献します。
  • 教育・研修事業の展開
    地籍調査や測量に関する知識を教育や研修として提供することで新たな収益源を開拓します。

4. 地域との連携を強化する

地域社会と協力し、測量業務を通じて持続可能な社会の構築を目指します。

  • 地域住民との協力
    地籍調査後も、住民との信頼関係を維持し、土地利用の相談に乗る仕組みを作ります。
  • 自治体とのパートナーシップ
    自治体の課題に応じた柔軟な提案を行い、協力体制を強化します。

まとめ

地籍調査が進むと新規の測量業務が減少するという現実に対して、

私たち技術者は変化を恐れずに対応していく必要があります。

  • 測量技術の高度化と多様化
  • 測量以外の分野への進出
  • 地籍調査後の市場開拓
  • 地域社会との連携

これらの行動を通じて、測量業界の持続可能性を高め、地域社会に貢献し続けることができるでしょう。

この記事を通じて、測量業界の未来を共に考えるきっかけになれば幸いです。

(愛徳コンサルタント株式会社)

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