私は現在、測量士として日々の業務に従事しています。今回、令和7年度土地区画整理士試験を受験しました。
この記事では「土地区画整理士とはどんな資格なのか」「取得するメリットや難易度」「実際に試験を受けた感想」について、
私の体験を交えながら詳しく記録していきます。
これから受験を考えている方や、同業技術者の方の参考になれば幸いです。
土地区画整理士とはどんな資格か
まず、この資格の位置づけから説明します。
「土地区画整理士」とは、土地区画整理事業において重要な役割を担う国家資格です。
具体的には、換地設計や減歩の計算、清算金の算定など、
事業を円滑に進めるための実務を担保する専門家として位置付けられています。
都市計画や地域整備の現場で必須の知識を持つ専門家であることを証明する資格といえます。
取得条件としては、測量士や一級建築士、技術士といった関連資格を持っていること、
あるいは一定年数の実務経験があることが必要です。
つまり、誰でも受けられるわけではなく、実務に関わる人材に限定された資格試験となっています。
試験の概要
土地区画整理士試験は、学科試験と実地試験の二段階構成です。
- 学科試験:法律、測量、設計、換地計画などに関する知識を問う筆記試験。
- 実地試験:具体的な換地設計などを行う実務的な試験。
合格の流れとしては、まず学科試験に合格し、その翌年以降に実地試験を受けることができます。
つまり一発勝負ではなく、段階を踏んで取得する形式になっています。
難易度と合格率
土地区画整理士試験の合格率は年度によって変動がありますが
、学科試験の合格率は概ね30〜40%前後、実地試験は20〜30%程度といわれています。
二段階を突破する必要があるため、トータルの最終合格率は決して高くはありません。
ただし、受験者層が「すでに測量士や技術士などの資格を持つ技術者」であることを考えると、
一般的な資格試験と単純比較はできません。
基礎知識を備えた上で、さらに区画整理の専門的な知識をどこまで積み重ねられるかが問われる試験です。
資格を取得するとどうなるか
この資格を持っていることで、土地区画整理事業の現場において「専門家」としての信頼性が高まります。
特に以下の点がメリットといえます。
- 区画整理事業の受注機会が広がる
業務上、この資格を持つ技術者が必要とされるケースが多い。コンサルタントや測量設計事務所にとっては競争力強化につながります。 - キャリアの幅が広がる
測量や設計だけでなく、都市計画・街づくりに直結する分野で活躍できる。 - 社会的評価が高い
資格者は限られているため、保有しているだけで専門性の証明になる。
私自身、測量士として業務を続けてきましたが、この資格を取得することで事業提案の幅が広がり、
将来的な仕事の可能性をさらに広げられると確信しています。
令和7年度の学科試験を受験して
ここからは私自身の体験談です。
今年はまず学科試験に挑戦しました。
試験問題を解いている途中から「これは受かったな」と思えるほど手応えを感じました。
もちろん、簡単だったという意味ではなく、これまで積み重ねてきた勉強がしっかりと活かせたという実感です。
特に法律や設計の分野は測量士の知識と重なる部分が多く、
応用的に対応できたことが大きな安心感につながりました。
問題を読み進める中で、来年の実地試験のことを自然と考えてしまうほどでした。
ただし油断は禁物
自信はあるものの、不安も残っています。私は普段からケアレスミスをしがちなタイプです。
今回の試験でも「氏名を書き忘れていないだろうか」「マークシートの番号がずれていないだろうか」といった不安が頭をよぎりました。
問題を解いている最中は余裕を持って取り組めた一方、提出した後になってから「あれ、大丈夫だったかな…」と不安になるのです。
試験における最大の敵は知識不足ではなく、意外とこうした単純なミスなのかもしれません。
学科合格後の実地試験について
もし今年の学科試験に合格すれば、来年はいよいよ実地試験です。
実地試験では換地設計を中心に、まさに区画整理事業の実務能力が試されます。
学科試験が知識の確認であるのに対し、実地試験は「現場で通用する力」を求められる試験です。
実地試験の準備としては、過去問の演習に加え、実務経験をどのように整理してアウトプットできるかが重要です。
私は普段から設計図面や換地の考え方に触れる機会がありますが、
それを「試験問題としてまとめ上げる力」に変換していく必要があると感じています。
今回の自己評価
今年の学科試験について、私の自己評価は「合格可能性90%以上」です。
途中で「これはいける」と思えたほどですが、それでも合格発表までは気が抜けません。
資格試験というものは、受験者本人の実感と結果が必ずしも一致するとは限らないからです。
特に私のように単純ミスをやらかすタイプは、試験の出来だけでは判断できません。
結果が出るまでは謙虚に待つしかないでしょう。
まとめ
今回、測量士として令和7年度土地区画整理士試験の学科試験を受験しました。
この資格は、都市計画や街づくりの現場で重要な役割を担う国家資格であり、
取得すればキャリアや業務の幅が大きく広がります。
難易度は高いものの、測量士として培った知識は大いに役立ちました
。学科試験の手応えは十分ですが、ケアレスミスという落とし穴があるため、発表までは油断できません。
来年の実地試験に向け、さらに実務的な知識と技術を磨いていきたいと思います。
試験を受けた感覚を一言でまとめるなら、「挑戦して良かった」です。
資格勉強は決して楽ではありませんが、その過程で得られる学びや自己成長は何ものにも代えがたいものです。
これから挑戦する方には、自信を持っておすすめできる資格試験だと感じています。
(愛徳コンサルタント株式会社)