「うちの土地は道路より高いから(低いから)、売れないんじゃないか」──高低差のある土地のご相談は少なくありません。たしかに平地より注意点は多いのですが、弱点と魅力の両方を知って正しく準備すれば、きちんと売れる土地です。順に見ていきましょう。
高低差は、悪いことばかりではない
道路より高い土地には、平地にはない魅力があります。日当たりと風通しが良い、眺望が開ける、外から敷地の中を覗かれにくい──あえてこうした土地を探す買い手もいるほどです。掘り込み車庫など、形状を活かした使い方もできます。市場評価が控えめなぶん、固定資産税が抑えられる面もあります。
一方でデメリットもはっきりしています。造成や擁壁に費用がかかる、坂や階段の上り下りが大変、工事や荷物の搬入に手間がかかる──そして何より、次に説明する法的な規制が絡みます。
「がけ条例」─ 高低差2mを超えたら要注意
隣地や道路との高低差が大きい土地は、都道府県などが定めるがけ条例の対象になることがあります。自治体ごとに内容は異なりますが、おおむね共通するポイントは3つです。
- がけの定義 ─ 高さ2〜3mを超え、硬い岩盤以外の土質で、傾斜が30度を超える土地
- 規制の基準 ─ 一般的には高低差2mを超えると対象
- 必要な措置 ─ 擁壁を設けるか、がけの高さの2倍程度、建物をがけから離す
ただし、しっかりした擁壁がある、地盤が強固と認められる、建物側で安全を確保できる──こうした条件を満たせば規制が緩和される場合もあります。まずはその土地を管轄する自治体の条例を確認するのが第一歩です。
擁壁は「あるかどうか」より「大丈夫かどうか」
高低差が2mを超える土地では、土留めの役割を果たす擁壁が必要になります。現在の建築基準法では、2mを超える擁壁は建築確認と構造計算が求められます。売却や購入の前に、検査済証が交付された擁壁かどうかを自治体で確認しておきましょう。古い擁壁で検査記録がない場合、買主から造り直し費用分の値引きを求められることがあるからです。
売却前の準備が、価格を守る
高低差のある土地の売却では、①境界の確定(斜面地は境界があいまいになりがちです)、②擁壁の記録の確認、③がけ条例の該当有無の整理──この3点を先に済ませておくと、買主の不安材料が消え、値引き交渉に強い土地になります。メリットの側(眺望・日当たり)を活かせる買い手に出会えれば、平地に負けない取引も十分可能です。
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