インフラ調査士の実務(二次)試験を、橋梁(鋼橋)・橋梁(コンクリート橋)の二部門で受験してきました。体験記がネット上に数えるほどしかない試験です。当日の流れ(受付→実技講習→打音の実技試験→面接)から、面接前の廊下に貼り出されていた技術者倫理規定、レポートを見ずに語る面接対策まで、体験したままを記録します。
はじめに ─ 情報が少なすぎる試験なので記録を残します
インフラ調査士の実務(二次)試験を受験してきました。受験部門は橋梁(鋼橋)と橋梁(コンクリート橋)の2部門です。
この試験、受験を決めて一番困ったのが情報の少なさでした。体験記はネット上に数えるほどしかなく、二次試験当日に何をやるのかがほとんど分かりません。同じように困っている方のために、実際に受けてきた当日の流れと、「これは事前にやっておくべきだった/やっておいてよかった」という対策を記録しておきます。
二次試験の全体像
インフラ調査士は、学科(一次)試験の合格後に、論文レポートを事前提出したうえで実務(二次)試験を受ける流れです。二次試験の当日は、受付から終了まで90分ほどで、次の構成でした。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 受付 | 会場には20分前に到着。緊張はあまりせず、落ち着いて待機できました。 |
| 実技講習 | 5分程度の短い講習。終わるとそのまま実技試験に移ります。 |
| 実技試験 | コンクリートの打音検査と、ボルトの打音検査による異常部の検出。 |
| 面接 | 提出したレポートの内容と、受験部門の技術知識についての口頭試問。面接中は自分のレポートを見ることができません。 |
実技講習が想像よりずっと短く、講習を受けて「すぐ本番」という流れだったのは少し驚きました。打音検査そのものは普段の点検業務や試験対策で触れていれば戸惑うものではありませんが、初見でいきなりやるのは厳しいと思うので、打音で「健全部と異常部の音の違い」を聞き分ける感覚は事前に持っておくべきです。
面接前の廊下で「倫理規定」の張り紙 ─ これが最大の落とし穴
面接の待機場所には、技術者倫理規定(資格認証技術者等倫理規則)の張り紙が貼られていました。そして係の方から「これは絶対に面接官に聞かれるから、今からでも覚えてください」と言われ、慌ててその場で暗記しました。
実際、面接で問われました。具体的には、倫理規則に定められた遵守事項(資格業務に関して行ってはならない不正行為)6項目のうち、2つを何も見ずに口頭で挙げる必要がありました。
遵守事項の6項目(資格認証技術者等倫理規則より)
- 不正な業務遂行
- 検査結果に関する不正な報告又は報告書の作成
- 不正行為の指示又は示唆
- 不正な報告又は報告書作成の指示又は示唆
- 資格証明書の改ざん及び貸借行為
- その他、資格業務に関する不正行為
当日の張り紙で知って慌てて覚えるより、受験前に最低2つ、できれば6項目すべてを言える状態にしておくことを強くおすすめします。規則の原文は日本非破壊検査工業会の資料(検規-6542)で確認できます。
面接本番 ─ 「レポートを見ずに語れるか」がすべて
面接は、事前に提出した論文レポート(様式1の共通課題と、受験部門ごとの様式2)の内容を軸に進みます。重要なのは、公式様式にも明記されているとおり面接中はレポートの閲覧ができないことです。つまり、自分が書いた業務の内容・判断の理由・工夫した点を、手元に何もない状態で自分の言葉で語れる必要があります。
私は対策として、生成AIに面接官役をさせる自作のAI模擬面接で練習していました。提出したレポートをAIにだけ持たせて、自分は何も見ずに答える──という本番と同じ条件で、レポートの深掘り質問と部門の技術質問(変状のメカニズム、点検の重点部位、非破壊検査手法の使い分けなど)を繰り返し受ける形です。
結果として、本番の面接は模擬でやった内容とほとんど同じでした。想定していた質問の範囲から大きく外れるものはなく、落ち着いて答えられたと思います。手応えとしては、受かっているのではないかと感じています。
これから受ける方へ ─ 対策まとめ
二次試験対策の要点
- 倫理規則の遵守事項6項目は事前に暗記(最低2つを即答できるように。当日の張り紙頼みにしない)
- 提出レポートを見ずに語る練習(面接中は閲覧不可。業務の内容・理由・工夫を自分の言葉で)
- 受験部門の技術質問への備え(変状のメカニズム、点検の重点部位、非破壊検査手法の原理と使い分け)
- 打音検査の感覚をつかんでおく(実技講習は5分程度ですぐ本番。健全部と異常部の音の違い)
おわりに ─ 次は後期試験
私は今年の後期試験で、続けてトンネルと道路工作物(付帯施設)の2部門を受験する予定で、いままさに勉強中です。後期の受験記もまた書こうと思います。
情報の少ない試験ですが、やるべきことは「レポートを見ずに語る」「倫理規則を覚える」「打音に慣れる」の3つに集約されます。この記録がこれから受験する方の役に立てば幸いです。
※本記事は筆者個人の受験体験(2026年)に基づくものです。試験の構成・内容・運用は変更される場合があります。最新の情報は必ず一般社団法人 日本非破壊検査工業会の公式サイト・受験案内でご確認ください。合否結果は執筆時点で未着です。
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