2026年10月29日、一般財団法人 橋梁調査会から「道路橋点検士技術研修 修了証」が届きました。九月に東京・浅草橋で受けた第69回研修会の結果です。五月の初陣(第66回)では実技試験で散り、「勝っても負けても報告する」と約束して臨んだ再戦でした。結論から書きます。二度目の受講で、道路橋点検士に合格しました。初陣から何を変えたのか、本番でやらかしたミスはどうなったのか、そしてこの資格を仕事にどう活かしていくのかをまとめます。
修了証が届いた ─ 合否は、この一枚で知った
合否を知ったのは、修了証そのものが届いたときでした。修了証の交付日は2026年10月27日。それより前に合否の連絡があったわけではなく、修了証の「あなたは当調査会主催の道路橋点検士技術研修を修了したことを証する」という一文を読んで、ようやく結果が分かりました。
正直に書いておくと、修了証に書かれているのは修了したという事実だけで、学科・実技の点数や採点の内訳は分かりません。どこで点を取り、どこで落としたのか、答え合わせはできないままです。それでも、五月に不合格の通知を受け取ったときのことを思えば、この一枚の重さは格別でした。
初陣から二度目まで ─ 変えたのは、この四つ
初陣の敗因ははっきりしていました。損傷の種類ごとの評価区分(a〜e)の「物差し」が体に入っておらず、実技試験で何を問われるのかも分かっていなかったこと。いわば「分からないことが分からない」状態でした。二度目に向けて変えたのは、次の四つです。
- 評価区分を体に入れる損傷の状態を選ぶとa〜eを判定する「損傷程度の評価アプリ」を自分で作り、基準表を引く稽古を繰り返しました。
- 部材記号を迷わず引く主桁=Mg、横桁=Cr…と、部材記号と対象損傷をすぐに引ける「部材記号の検索アプリ」も作りました。
- 野帳の骨組みを先に作る評価範囲の要素番号が分かった時点で、要素ごとに評価すべき損傷の番号を先に全部書いておき、現地では記入に集中できるようにしました。
- 三つの書類を突き合わせる野帳の内容をExcelに入れ、その3-3からその3-4(部材ごとの最悪値)を関数で作って、手書きの答案と照らし合わせました。
研修会の中身や、実技で点を落としやすい書き方のルールは、受講直後の「道路橋点検士技術研修会を受けてきた【第69回・二度目の受講記】」に、チェックリスト付きで詳しくまとめています。これから受ける方は、そちらも合わせてどうぞ。稽古に使った二つのアプリは、どちらも無料・ログイン不要で公開しています。
abcde 損傷程度の評価アプリ ログイン不要・無料 ─ 26種類の損傷の評価区分a〜eをその場で判定(弊社開発) 使ってみる ─ MgCrDs 部材記号の検索アプリ ログイン不要・無料 ─ 工種から絞り込み、記号から逆引き。部材を選べば対象損傷まで表示(弊社開発) 使ってみる ─やらかしても、受かっていた ─ ただし減点の中身は分からない
受講記にも白状したとおり、二度目の本番も無傷ではありませんでした。講習の冒頭で説明された「班ごとの前提条件」を聞いていたのに忘れて、主桁の③ゆるみ・脱落を本来とは違う評価で書いてしまったこと。そして手書きの損傷図で紙面が足りなくなり、紙の裏にまで書いてしまったこと。提出したあとも、この二つはずっと気になっていました。
結果は合格でした。ただ、先に書いたとおり採点の内訳は分からないので、この二つがどれだけ減点されたのか、あるいはされなかったのかは分かりません。ですから「このくらいのミスなら大丈夫」とは言えませんし、言うつもりもありません。
一つだけ言えるのは、初陣と二度目の違いは、損傷を見る目が急に鋭くなったことではなかった、ということです。変わったのは、何で点を落とすのかを知ったうえで、一つずつ丁寧に書けたことでした。全部の行を書く、三つの書類を揃える ── 地味なところで崩れなかったことが、ミスを抱えたままでも合格に届いた理由だったのだと、自分では受け止めています。
登録を申請 ─ 道路橋点検士として
修了証が届いてすぐ、道路橋点検士としての登録申請を済ませました。研修を修了して終わりではなく、登録を経て、名乗れる資格として仕事に使っていきます。
思えば、初陣の受講資格を開いてくれたのはRCCM(道路部門)でした。今年はさらにインフラ調査士(橋梁)の鋼橋・コンクリート橋の二部門にも合格しています。一つの資格が次の挑戦への入場券になり、橋の点検に関わる技術の裏付けが、少しずつ重なってきました。
仕事にどう活かすか ─ UAV点検と組み合わせる
全国にはおよそ73万の道路橋があり、5年に1度の定期点検が法律で義務づけられています。点検は橋を長く使うための維持管理の起点となる、情報集めの仕事です。
当社はこれまで、UAV(ドローン)や赤外線を使ったインフラ点検・調査に取り組んできました。そこに道路橋点検士として、点検要領に沿って損傷を見立て、評価し、記録様式にまとめる力が加わります。橋梁の定期点検に、UAV(ドローン)や赤外線による調査を組み合わせたご提案を、これから形にしていきます。空からの画像も、赤外線の結果も、最後は点検の記録として発注者に届く ── その全体を一つの会社で見られることを、強みにしていくつもりです。
二度目の正直 ─ そして、次の橋へ
五月に「分からないことが分からない」まま散った資格を、九月の再戦で取り戻せました。一度で受からなかった方へ伝えたいのは、不合格の一回目は、二回目のための下見になるということです。何で点を落とすのかが分かれば、対策は打てます。私の場合、それが自作のアプリとExcelの突き合わせでした。
挑戦はまだ続きます。11月11日にはインフラ調査士の後期(トンネル・道路工作物)の学科試験が控えています。こちらも結果は、勝っても負けてもこの便りでご報告します。
※本記事は筆者個人の受講体験(2026年・第66回および第69回)に基づくものです。研修会の構成・内容・合否の通知方法・登録の手続きは変更される場合があります。最新の情報は必ず実施機関である一般財団法人 橋梁調査会の案内でご確認ください。
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